オブジェクト指向


イベント参加レポート集

イベント参加レポート集

オブジェクト指向 - イベント参加レポート集 1 (前の前の頁)別頁

・ UML Forum/Tokyo 2001別頁 2001/03/21〜22
・ ObjectDay 2001別頁 2001/05/18
・ Rational Rose/ラショナル統一プロセス徹底検証セミナー別頁 2001/08/24
・ UMLによるオブジェクト指向分析・設計演習(.NET Webサービス実践編)別頁 2002/3/11〜14
・ UML Forum/Tokyo 2002別頁 2002/03/26〜27
・ OBJECT DAY 2002別頁 2002/06/25〜07/24
・ Tech・Ed 2002 Yokohama別頁 2002/07/05

オブジェクト指向 - イベント参加レポート集 2 (前の頁)別頁

・ UML Forum/Tokyo 2003別頁 2003/04/16〜17
・ クリスマス企画 オブジェクト指向実践者の集い 〜オブジェクト倶楽部が街にやってくる〜別頁 2003/12/16
・ UML Forum/Tokyo 2004別頁 2004/04/13〜14
・ パターンワーキンググループ設立一周年記念セミナー別頁 2004/05/27

■ オブジェクト指向 - イベント参加レポート集 3 (この頁)本頁内

・ 納涼イベント オブジェクト指向実践者の集い 第二弾 〜本当にあった怖い話〜本頁内 2004/07/09
・ クリスマス企画 オブジェクト指向実践者の集い本頁内 2004/12/09
・ オブジェクト指向実践者の集い 2005夏本頁内 2005/06/29
・ オブジェクト倶楽部 2005クリスマスイベント本頁内 2005/12/16

XP (エクストリーム プログラミング) - イベント参加レポート集はこちら別頁

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・「納涼イベント オブジェクト指向実践者の集い 第二弾 〜本当にあった怖い話〜」

納涼イベント オブジェクト指向実践者の集い 第二弾 〜本当にあった怖い話〜

会場の様子
会場の様子
会場の様子
会場の様子
【参加目的】


【参加内容】

以下のプログラムに参加した。

※ 講演資料がオブジェクト倶楽部の Web サイトで公開されている。
<http://www.objectclub.jp/event/2004summer/index_html#seminar_t>


【感想】
はじめに

この日は六時頃に家を出て、朝八時小松発の飛行機で会場に向かった。

ぎりぎりの時間に大井町の会場に着いてみると、既に会場はいっぱいになっていた。

150人位の人が居ただろうか。かなりの盛況であった。


外の気温は多分 35 度程にもなっていた。

とても暑い日であった。そのため羽田から会場までの道のりは長く感じられた。

受付でイベント名がプリントされた団扇(うちわ)が配られたのが、とてもありがたかった。


会場の壁には、「オブカレー」なるポスターが何枚も貼ってあった。

このポスターは「ボンカレー」のポスターのパロディになっていて、中から平鍋氏 (イベントの主催者の主宰者) の顔が、こちらに微笑みかけてくる。

これで若干(じゃっかん)汗が引いた。さすが納涼イベントだけのことはある。



さて、私が参加した内容から、いくつか心の中に残ったものを「格言」風に以下であげてみようと思う。


●「ソフトウェア開発において二つの大切なことがある。『Learing (学ぶこと)』と『Humility (謙虚さ)』である」

(from オープニング・トーク by 平鍋 健児 氏)

オープニング・トーク


失敗した開発から学んで、失敗をプラスにできることが重要。
失敗に目をつむったり、他人(ひと)や自分を責めたりするのでなく、
分析し、課題にし、そして行動しなければならない。

●「オブジェクト指向は『現実世界をそのままソフトウェアで表現する技術』ではない」

(from 主賓講演 『オブジェクト指向でなぜつくるのか』 by 平澤 章 氏)

主賓講演 『オブジェクト指向でなぜつくるのか』


オブジェクト指向は、ソフトウェア開発の総合的な技術である。
「プログラミング技術」と「集合論による汎用の整理術」の二つの側面があり、その二つは分けて考えた方が良い。

●「Java で 800行にわたるメソッドは実在する」

(from ライトニング トークス)


ライトニング トークスで個人的に一番面白かったネタ。会場は爆笑していた。
ライトニング トークスには、私も「『サルでもわかるオブジェクト指向』失敗談」というタイトルで参加させてもらった。

「『サルでもわかるオブジェクト指向』失敗談」資料 (PDF 形式: 384,746 bytes)

ライトニング トークス

ライトニング トークス

※ ライトニング トークス (Lightning Talks) とは、持ち時間五分延長無しで次々と行う短い講演の集まりのこと。


●「『要求定義』でなく『要求開発』をしよう」

(from ワークショップ 『「要求開発」と「システム開発」〜間違ったものを正しく作っていませんか?〜』 by 山岸 耕二 氏)


○「要求定義」の考え方:
顧客が既に持っている「要求」を、顧客から聞いて集めて「定義」しよう。
その通りに作れば顧客の求めるものが作れる筈。

○「要求開発」の考え方:
顧客の要求を唯寄せ集めても顧客のビジネスを効率化できるとは限らない。
「要求」は、顧客のビジネスの現状と目指すビジネス ゴールからロジカルに「開発」されるべきである。

かのワインバーグの「ライト、ついてますか」という本にも書いてあることであるが、「現状」と「あるべき姿」の差が解決すべき「問題」である。

仮に顧客のいう通りの仕様で開発が出来たとしても、それが顧客の問題をうまく解決してくれるとは限らない。
何故なら顧客は、ビジネスの現状はどうなのか、目指すビジネス ゴールがどこにあるのか、現状に IT 技術をどう適用すればもっともうまくゴールに到達できるのか、の答えを始めから持っているとは限らないからである。

「要求」は既存のものでなく、ビジネスをよく知る顧客と IT をよく知る開発者が協力して、「開発」していくべきものである。

その他の幾つかのポイントは以下の通り。

●「やはりホワイトボードは大切」

(from ワークショップ 『DOAを知っておこう』 by 渡辺 幸三 氏)


ワークショップは、複数のテーマのものが同時進行していた。

  1. 『開発現場で使えるファシリテーション』粕野 智恵 氏
  2. 『「要求開発」と「システム開発」〜間違ったものを正しく作っていませんか?〜』山岸 耕二 氏
  3. 『DOAを知っておこう 渡辺 幸三 氏
  4. 『Metaphors We Develop a Software by 〜ソフトウェア開発に使う隠喩(メタファー)〜』懸田 剛 氏
  5. 『体験してみる教育実践 〜ロボット制御をやってみましょう〜』小林 靖英 氏

この中から一つ乃至(ないし)二つ選択して参加するのであるが、私は前回のクリスマス企画のときのワークショップで「ファシリテーション」を選択していたので、今回はなるべく私にとって馴染みの薄いテーマ二つに参加した。
DOA に関しても余り知らない分野であったが、渡辺 氏のお話はなんだかとても楽しかった。
パワーポイントよりホワイトボードへの板書を中心として進められていたのがとても印象的で良かった。

●「動いてみなければフィードバックもない」

(from 懇親会)

懇親会と二次会に参加した。

今回も、多くの技術者に話し掛けたり話し掛けられたりした。
今回ライトニング トークスに出たことや、以前にインターネット上で話したりしたことが随分とそうしたきっかけになった。
思えば、今回このイベントの参加を決めたことや、ライトニング トークスに出ることにしたこと、懇親会に出席することにしたこと、そこで話し掛けてみたこと。例えばそうしたことが、多くの新たなコミュニケーションの元となっている。

で、感じたことは、色々と実践してみなければフィードバックもない、ということである。
良いと思うことは取り敢えずやってみてフィードバックを得る、というアジャイルなやり方が、やはり効果的なようである。

試してもみないで失敗を恐れる人もいる。
「石橋をたたいて渡る」どころか、まだ石橋をたたいてもいないのに、石橋を渡れない理由ばかりをどんどん列挙していって、石橋をたたいてみることすら怖くて出来なくなってしまう人もいる。
そこに必要なのは、少しばかりの勇気なのかも知れない。

うまくいくかどうかはやってみなければ判らない。そして、たとえ失敗したとしても、そこから多くを学べるのである。

「実践」、「勇気」、「コミュニケーション」、「フィードバック」、「謙虚さ」等、アジャイルでよく使われる言葉の大切さを、今回のイベントで改めて実感した次第である。


懇親会では『オブジェクト川柳コンテスト』というイベントの結果発表があった


まとめ

私は、「UML Forum」や 「Object Day」等、オブジェクト指向関連のイベントが好きでよく参加したが、「Object Day」なき今、このオブジェクト倶楽部のイベントは大変ありがたいものである。勇気をもって開催してくれたであろうオブジェクト倶楽部に感謝したい。

是非今後もこのようなイベントが開催され続けて欲しいし、応援し続けたいと考えている。


今回のイベントでも、とても楽しく充実した濃い時間を過ごさせてもらった。

こうしたイベントに参加して、いつも感じることだが、得られるものは単なる「情報」ではない。

「体験」なのである。



・「クリスマス企画 オブジェクト指向実践者の集い」

レポートは、こちら


・「オブジェクト指向実践者の集い 2005夏」

レポートは、こちら


・「オブジェクト倶楽部 2005クリスマスイベント」

レポートは、こちら


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